GUCCIのショルダーストラップが中途半端なので肩掛けできるように作り直す。

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77cmでは斜め掛けできないのです。

海外のブランド製品だと外国人の体格に合わせてショルダーストラップが設定されている場合があります。その場合だと長すぎたり短すぎたりとどっちつかずな場合も。今回のGUCCIのショルダーストラップは調整できる幅が72cmから77cmしかないので、これでは斜め掛けできないということで新しく作り替え(斜め掛けには最低90cm前後必要)。本体の革は暗めのネイビーでしたが、同じようなネイビーの革がなかったのですが店頭にて黒色の革で本体に合わせて確認されると黒色でも問題ないということに。

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作成する長さは最短で117cmで最長が127cmの設定に。ご来店の際に掛けられていた鞄のショルダーストラップを参考に決めていただきました。ショルダーストラップの設定は長さが調整できる仕様の場合、5個穴で25mm間隔が一般的です。その際に一番使う長さを5穴のセンターにするか、もしくは最短にするかなど設定できます。今回は使用頻度の高いとされる122cmを中央値にし、その前後5.0cmで長さ調整できる設定になっています。着膨れする冬は長く、夏は短くという感じでしょうか。

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GUCCIのオリジナル固定金具

今回のストラップはオリジナルの金具で固定されています。二本の柱が本体に貫通し、中でねじ留めしてありました。ねじ留めの場合に怖いのが特に年代物だとネジに青サビ(青緑)が発生し固着してしまっている場合。オリジナル金具だとネジも既製品ではないサイズやピッチだったりするので、硬くて回らずネジの頭をなめてしまうとストラップの交換以前にその時点で終了となってしまいます。今回は問題なくマイナスネジがスムーズに取り外すことができて一安心。安心していると紛失するのでこれも要注意ポイントです。

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ストラップが若干薄く頼りないので新しく作るショルダーストラップは少し厚みを増やしたいのですが、この部分はネジの長さの限界があるので金具付近はオリジナルの厚みを維持して作成することにします。

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これもよくありますが革の厚み自体は薄くて芯材で厚みと硬さを保たせているストラップ。初めはいいのですが経年して主材の芯材が劣化してくると、特に劣化すると剥離してくるパルプ系の芯材を使っている場合が多いのですがパキパキと折れたりミルフィーユ状に剥離してきてしまいます。

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革の厚みが0.8mm、全体の厚みが3.0mm程度でしたのでストラップの厚みの半分が芯材という構成です。この設定でも一定期間はいいのですが芯材が劣化し当初の硬さや素材構造を維持できなくなると、残された薄い革のみでストラップの強度を維持することになってしまうので、このような仕様のストラップは負荷がかかる付け根や美錠固定部分やサイズ調整穴で裂けてくる場合があります。

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新しく作成するショルダーストラップはブラックなのでいつもの丈夫なヌメ革を使います。オイルヌメなので一般的な革より乾燥し難く経年により徐々に艶も増していきます。革だけでも裏表貼り合わせると3.6mm厚みがあるので強度面は心配ないのですが、伸び留め効果ともう少し張りも出したいので0.6mmの芯材を間に挟んで約4.0mm厚程度のショルダーストラップになっています。

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オリジナルは片側の穴がセンターずれていましたが、私はずれないように慎重に穴あけを。

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GUCCIのちょうどいいショルダーストラップ完成

美錠はオリジナルを移植しています。

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新しくショルダーストラップを作っても絵的には映えないんですよね、BEFOREとあまり代わり映えしないので。しかしお届けすると「大満足です」と返信が来ましたので、映えなくても仕上がりには問題はありません。

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