ストラップが長い場合は詰めれます。
ストラップが長い場合には調節用の穴を追加で開けるという方法もありますが、一つや二つで済むのならばそれも良いかもしれませんが、5個、6個開けるとなると穴だらけ。
それにそれだけ短い位置で使うということはベルトがだらっと余ってしまうので見栄えも悪くなってしまいます。
こちらのご依頼主の方はすでに他店で2個穴を追加されています。5cm間隔で2個なので10cm短い設定にしてもまだ長いということです。一般的にはズボンのベルトや鞄のショルダーストラップの調節穴は2.5cm間隔が多いですが、このGUCCIは5.0cm間隔に設定されています。
なぜそんなにストラップが長いのか?
海外ブランド製品に多いのですが、ショルダーストラップの長さは本国の?西欧人の体格に合わせて作られている為、長さが調節できる仕様のショルダーストラップでも最短に調節しても長くなることがあります。
今回のGUCCIは最短で135cm、最長で155cmと異常に長い設定になっています。GUCCIはイタリアのブランドですがイタリア人の女性はそんなに背が高かったか?と。
調べてみるとイタリア人女性の平均身長は165cmなので日本人の158cmと比べるとその差は7.0cm。7.0cm身長が高くても135cmが最短では長いようにも思いますがどうなんでしょうか。
ショルダーストラップの長さ(調節幅)は100から120cmが平均
これまでの当店の統計だと女性の場合、ショルダーストラップの長さはだいたい100から120cmぐらいあれば足りる感じです、鞄のデザインや大きさによって多少前後はしますが。
ショルダーストラップの長さの決め方
穴の数は5個、間隔は5.0cmの場合
例えば穴が5個開いている内の3個目(中央)の穴で100cmになるように詰めた場合、前後で10cmずつ調整が可能です。(調節幅は90から110cm)
または最短の穴で100cmになるように詰めた場合には、そこから20cm長くできるようになります。例えば春や夏服の薄着の際に長さを決めて詰めるのであれば、最短で100cm設定で詰めておけば冬服の着膨れした時には20cm長く伸ばせるので安心です。(調節幅は100から120cm)
調節穴の設定は春夏は最短、秋冬の服装では中央か最長で設定する
ショルダーストラップの詰め方
今回の場合はストラップが金具に連結していてデザインもシンプルだったので本体付け根部分をカットし元通りに詰めることが可能ですが、鞄本体にストラップが直接縫製されている場合や、その付け根の形状がデザインされている場合には付け根で詰める事が出来ない場合があります。
その場合には美錠付根部分で詰める事も出来ますが、美錠側のストラップは基本的にどの製品でも長さが短いので長めに詰めてしまうとストラップのバランス(美錠の位置)が悪くなってしまうので調節が必要になります。なお美錠付根で詰めても見栄えに影響はありません。
ショルダーストラップを詰める場所は、本体付根 か 美錠付根
カットした断面はオリジナルと同じくブラウンに塗装します。
今回は以前15cm詰めた方が追加で25cm詰めるという依頼Aと、穴を2個開けたが長いのではじめて詰める依頼Bの2本を調節します。
Aは今回25cm詰めるので前回分と合わせると40cm詰めたことになります。Bは35cm詰めます。25cm、35cmといってもその数値をそのままカットするのではなく、付け根を輪っかにする距離も必要なのでその分を差し引いた長さを詰めます。
仕上がりの状態
この補修はほとんど違和感なく仕上がります。なので無闇に穴を開けてしまうよりは付け根を詰めた方がよろしいかと思います。美錠に固定する穴の付近というのはストラップが傷みやすいのでなるべく穴は少ない方がよいです。
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