Clarks
底付けの製法の違い
クラークスの主なモデルにデザートブーツ・デザートトレック・ワラビーがありますが、ワラビーのみマッケイ製法でそれ以外はステッチダウン製法で作られています。製法の違いによりソール交換の方法が異なります。
ステッチダウン製法
この製法では本体のアッパー(革)を靴の周囲でL字に折り曲げ、その折り曲げた部分とミッドソール(中底)を垂直方法で縫い合わせる製法となります。
ステッチダウン製法でもライニング(裏革)の有り無しで2通りに仕様が別れていますが、クラークスではライニングが無いので周囲で縫い付けられている底縫いをカットするとアッパーとソールとに完全に分離されます。
ステッチダウン製法・ソール交換の注意点
クレープソールはとても柔らかいので、履き込まれた靴は中底面(足が載っている面)に足の形の凹凸ができています。交換の際には中底面は型取りし、新しい革中底へトレースしますが指の形にそれぞれ凹んだ形状までは再現できません。
現状のサイズ感が既に窮屈であったり、もしくはあまり履いていない新品に近い状態からソール交換を行う場合には、トレースによる誤差でサイズが多少窮屈になってしまう場合があるので、ソール交換はお勧めしておりません。
逆にかなり履き込んでいる場合は、サイズが緩くなっていることが多く、インソールを入れて履かれている方もいらっしゃいますが、ソール交換をするとちょうどいいサイズ感になる場合がよくあります。
マッケイ製法
この製法では靴内部でミッドソールを貫通し底縫いしているので外観に縫い目は見えません。ワラビーの場合は中底が無くアッパーが靴下のように袋状になっています。靴の内部と一層目の4.0mm程度のクレープソールを底縫いし、その土台にクレープソールを積層し接着されています。
VIBRAM
ソール別・修繕事例
vibram #4014
ラバーとスポンジ素材を混合したような適度な弾力がある素材。安定した履き心地で定番のソール。
交換費用 | 15.000円 |
お預かり期間 | 〜1.5ヶ月間 |
カラー | ブラック・アイボリー |
vibram #1136
トレッキングブーツによく使われる凹凸が特徴のラバーソール。見た目のゴツさのわりには凹凸により屈曲性に優れ摩耗にも強い素材。
交換費用 | 15.000円 |
お預かり期間 | 〜1.5ヶ月間 |
カラー | ブラック・ブラウン・ハニー |
vibram #528K
#1136とほぼ同じデザインですが、スポンジ混合素材なのでラバーに比べると50%軽量化されています。滑り難く耐久性に優れています。#1136より全体的にソールの厚みが4.0mm厚くボリューム感があるソールです。
交換費用 | 15.000円 |
お預かり期間 | 〜1.5ヶ月間 |
カラー | ブラック・ブラウン・マスタード |
vibram #2021
スポンジ素材なので何と言ってもその軽さが特徴的なソール。クッション性にも優れ#4014と選択に悩む方が多数。クレープソールからの乗り換えでは衝撃的な軽さに感じると思います。
交換費用 | 15.000円 |
お預かり期間 | 〜1.5ヶ月間 |
カラー | ブラック・ブラウン・サンド |
vibram #342
ギザギザが特徴的なラバーソール。凹凸により屈曲性が良く、形状由来のクッション感もあります。負荷が掛かり摩耗しやすいつま先と踵は溝をフラットにすることで耐久性を高める工夫がされています。
交換費用 | 17.000円 |
お預かり期間 | 〜1.5ヶ月間 |
カラー | ブラック・ホワイト |
vibram #148
ダナーなどのトレッキングブーツメーカーでも採用されている耐久性の高いラバーソール。ゴツい印象ですが履き心地はその特徴的な凹凸により弾力感があり履きやすく、加えて摩耗にも強いとリピーター多数。
交換費用 | 15.000円 |
お預かり期間 | 〜1.5ヶ月間 |
カラー | ブラック・ハニー |
ソールの選び方
VIBRAM社のソールは一般的なソールより耐久性や履き心地などがよく考えられています。ですので選ぶ際もみなさん悩まれます。どちらの素材が優れているという事ではなく、比較することでソールの違い分かり易くなり自分に合ったソール選びができると思います。
#4014 vs # 2021
クラークスのソール交換で選ばれるvibramソールの2トップ。どちらもゴム入りEVAという素材ですが配合の割合が異なるようです。#4014はスポンジとラバーの混合素材で弾力と適度な硬さがあります。どなたにでも相性は良いと思います。
#2021はほぼスポンジ素材。重いクレープソールからの載せ替えだとかなり軽量に感じられると思います。ソールのボリューム感は#2021の方が全体的に3.0mmぐらい厚みがあります。
どちらもとても履きやすいソールなので甲乙つけ難いですが、最終的には皆さん色で選ばれている印象です。#4014はアイボリーとブラック、#2021はサンド・ブラック・ダークブラウンの展開。
あまりオリジナルと印象を変えたくない方は、#2021のサンドカラーはクレープソールと色の印象が似ているのでよく選ばれています。
軽さ | #4014 < #2021 |
耐摩耗 | #4014 > #2021 |
弾力 | #4014 = #2021 |
#2060 vs # 2021
これは何が違うのか?とよくご質問をいただきます。よく見ると踏まずとかかとの境目付近で#2060には僅かに段差がついています。ベージュ系の色味も#2060の方が少し濃い印象です(ブラックとダークブラウンは同じ)そのほか比重、硬度、耐摩耗に関して計測値は全く同じ値になっています。
軽さ | #2060 = #2021 |
耐摩耗 | #2060 = #2021 |
弾力 | #2060 = #2021 |
#148 vs # 4014
#148はダナーなどのトレッキングブーツメーカーでもよく採用されているソールだけあり、全天候型で街歩きから軽登山までカバーできるソールです。特徴的な靴底のパターンにより雨の日でも滑り難く、またその凹凸によってかクッション性、弾力性が良いという声を頂いています。vibram社の高品質なラバー素材なので耐摩耗性能もとても優れています。
軽さ | #148 > #4014 |
耐摩耗 | #148 > #4014 |
弾力 | #148 = #4014 |
#528K vs # 1136
どちらも凹凸パターンはほぼ同じヒールタイプですが素材が異なります。#528Kはスポンジ混合素材なのでラバーより50%軽量です。#1136はラバータイプ、どちらも元のクレープソールと比較すれば軽いソールです。#528Kは#1136より全体的に4.0mm厚くボリューム感があります。デザートブーツにそのボリューム感は相性が良さそうです。
軽さ | #528K > #1136 |
耐摩耗 | #528K < #1136 |
弾力 | #528K > #1136 |
部分補修について
個人差もありますが通常は一番負荷が掛かるかかと部分が摩耗してきます。ソールによって違いはありますが〜10.0mmぐらいまでの摩耗(深さ)であれば部分補修が可能です。
補修の方法はソールにより異なりますが、傾斜板という楔状の素材で補う方法や、摩耗したレベルまでかかと部分を一段凹ませ、ラバー素材を埋め込み元の高さに戻す方法などがあります。
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