CAMPER
ステッチダウン製法モデル・補修方法と修繕事例
カンペールのステッチダウン製法は本体の革が靴の周囲でL字に折り曲げられ、この部分とソールが貫通し靴の周囲で縫製されているのが特徴です。同じ形状のソールが使われているPEUシリーズがありますがそちらはPEUのステッチダウン製法の項目に分類しています。
しばしばかかと部分を摩耗しすぎた状態で持ち込まれることがありますが、摩耗しすぎてしまうと修理が厳しくなる場合もありますので、土台の部分が磨耗する前の早め早めのご依頼がよろしいかと思います。このラバーソールもカンペール特有のソールの劣化が生じやすい素材が使われています。かかと部分の摩耗でダメになるか、または屈曲部分でソールがぱっくりと割れてしまうか、いずれかの症状が頻発しています。
修理店によっては古いソールを外さず、表面の凹凸を削りその状態で新しいソールを貼り付ける方法で行なっているお店もあるようです。その場合、底縫いの糸が切れているので履いているうちにぱっくりと本体とソールが分離してしまい途方に暮れている靴が持ち込まれたりもします。
当店の補修方法では古いソールはもちろん取り外しますが、脆くなったミッドソールも補強してから底縫いをやり直します。そして補強され縫製されたミッドソールに新しいソールを取り付けています。赤系のソールの場合はVIBRAM社の#8365スポンジソール使用します。
スポンジソールは軽量でクッション性は優れているのですが、耐摩耗性能ではラバー素材に比べると劣ります。ですので踵や爪先など比較的摩耗しやすい部分には、ラバー素材を埋め込み耐久性を高めています。また摩耗した際には部分的に交換が可能な仕様となっています。赤系以外のブラックやダークブラウン・ベージュ系などのソールのご用意もあります。