
ファスナーは消耗品です。
プリアージュについているファスナーは基本的にコイルファスナーといってエレメント(ギザギザの部分)が樹脂でできています。そのエレメントを糸で両脇の生地にかがり縫い付けています。ファスナーが締まる原理はスライダーを閉じていくことで両側のエレメントが両手を組むように食いついてしまっていきます。
壊れる時はスライダーを閉じると途中で引っかかったり、または閉じても閉じなくなる状態です。画像のようにエレメントをかがっている糸がほつれていればそこが原因だとわかりますが、一見どこも問題ないように見えてもエレメントの一箇所がほんの僅か傾いただけでもその部分が原因で閉じなくなってしまいます、結構繊細なのですファスナーって。

なのでスライダーを動かしたときにスムーズに動かない場合は無理に動かさず、左右のエレメントを近づけたり、閉じていくあたりのたわみを少なくするとスムーズに開閉できると思います(痛んでいない状態で)ファスナー交換になってしまうと縫製部分を全て分解し、また再縫製してと結構手間がかかるので費用もそこそこかかってしまいます。

〜4週間はYKK待ち。
それとロンシャンの場合はファスナーの規格が一般的なのものではないのと色が独特なので、通常の在庫品でも無いですしファスナー問屋さんにも無いので問屋さん経由でYKKにオーダーになってしまいます。オーダーといってもYKKでロール状に巻かれているファスナーをカットして郵送してくれるだけなのですぐに届くと思いきや、〜4週間ぐらい待たされます。YKKの問題というか間に入っている問屋さんで、ある程度の注文をまとめてから発注しているので時間が掛かっているのだろうと推察しています。しかし小売で50cmとかの極小ロットで対応して頂けるだけでもありがたいですが。


ロンシャンのチャームって折れやすい?
今回の修理はスライダーも一緒に交換しています。丸い部分のチャームが折れてしまったのでついでにその部分もカスタムして欲しいと。このスライダーもファスナーの規格に合わせたものなので一般的ではないサイズが使われています。ただ色がゴールドとシルバーなのでこれはあらかじめYKKに注文して在庫で用意してあるので、スライダーのみの交換の場合はYKK待ちはなく〜1週間で仕上がります。


この記事を書いていて思ったのですが、交換の際に使用したファスナーの色はオリジナル通りですが、このクラブシリーズのガンメタモデルは馬の刺繍が黄色でコバの色も黄色です。ファスナーも黄色にしたらどうだったのかなと。

オリジナルの色にこだわらずに自分だけのカスタムモデルにしてもいいのかもしれません。定番のオリジナルシリーズでも基本は本体のナイロン生地と同色になっていますが、本体のナイロン生地はピンクでもファスナーがブラウンとかもありますし。仕上がった状態の画像を撮り忘れましたが、ファスナー交換は元の通りに戻るだけなのでご想像にお任せします。