革の色合わせ問題
オリジナル(ナイロン)シリーズは使用されている革の色はブラウンで統一されているので、ロンシャンのオリジナルシリーズ用に専用のブラウンの革を調達していますが、クラブシリーズやネオシリーズはシーズン毎にもカラーバリエーションが増加しますし、そもそも色展開が多いのでそれぞれの革の色に合わせてご用意するのは難しいです。
革を購入する際には基本的に一頭(半裁サイズ:畳より大きい)なので、少量しか使わないご依頼品に合わせてその都度ピンク、ブルーというように調達することはこれまで出来ませんでした。(一頭分ご負担していただければ可能ですが・・)
90色から取り寄せ可能になりました
しかし「何色はありますか?」というお問い合わせが多く、何とかならないかとずっと探していました。そして現状ではイタリアの革になりますが90色の中から近い色の革をご用意することができるようになっています。
費用については通常の在庫の革を使用するよりは少し割り増しにはなってしまいますがお取り寄せが可能です。ただその際はご依頼の鞄と革のサンプル帳を照らし合わせる必要があります。
革の取り寄せには現物確認が必要
メールでのお問い合わせでこの画像の革に近い色はありますか?としばしばお問い合わせがありますが、画像と実物というのは色は違って見えています。
しかもロンシャンで使用されている革の色は微妙な色を採用しがちなので特にそうなります。自分のスマホの画面では実物と同じ色に撮影できていても、画像の送り先のPC画面やスマホでは見るデバイスによっても色の再現は違ってしまいます。
ロンシャン クラブシリーズ補修事例
このブルーのモデルもイタリアの革を取り寄せていますが、かなり近い色の革がご用意できるようになっています。90色あってもなかなかズバリ!の色というものは少なく、ロンシャンはわざと少しだけグレーを混ぜたりイエローを混ぜたりと一般的な色味とはずらしている感じです。
クラブシリーズはコバ(断面)の色が刺繍と同じ色になっているのでそれも再現して補修しています。鞄の縫い合わせの位置と革のパーツの縫い合わせの位置を合わせているので後付け感はなく、もともとそうだった感が漂います。
こちらも革の取り寄せモデルですが、このピンクはオリジナルより若干色が濃い感じですが許容範囲ではないでしょうか。仕上がりの撮影はインスタ用にはアップしやすいのでスマホで撮影していますが、HP用には一眼レフで撮影しています。
ほぼ同じタイミングで撮影してもスマホと一眼レフでも色が違って映ってしまいます。撮影はいつも同じ光源環境で撮影できるセットがあればいいのですがそんな広々してはいないので、窓際の自然光のみで撮影するのが一番ナチュラルな色が再現できていそうな気がするのでいつも同じ場所で撮影しています。
とある自動車メーカーでは車体の色を決めるときには必ず晴天の日の10時か11時に屋外で確認するんだとか。その時間帯の自然光がより正確に色を再現しているからだと。
なので私も11時頃になると仕上がったロンシャンを窓際に吊るして撮影していますが、あいにく雨だったり曇りだったりすると綺麗に撮影できないので撮影せずにご返却になってしまうこともしばしばあります。
ただ年中11時頃にロンシャンばかりを撮影していると気づくことがあります。同じ時間でも季節によって陽の色が違っていることに。太陽高度の変化で陽の入射角度が違っているのでそのせいなのか、もしくは光の色も実際に違っているのか?黄色味ががっていたり、ブルーがかっていたりと。
インスタグラムで各色確認できます
北野ブルーではないですが撮影するとなんだか青味がかってしまう季節も。一眼レフのWBを太陽光や日陰モード、曇りモードなどに変えて撮影してみても、なかなか実際の色としっくりとこない。単に私のカメラの操作技術の問題なんじゃぁ、とも思うこう今日この頃・・。