この生地は早めの補修がオススメ
角が擦り切れて、やれやれといったようなグッチ鳥の表情ですが、この生地は何ていう織り方なのか分かりませんが、擦り切れるとほつれていくスピードが早く被害が広がりがちです。
今回は鳥のモチーフが付いているのでそちら側を正面(外側)にして使われていたと思うので、被害が大きい面は常に身体側(背面)だったので衣服で特によく擦れてしまったのではないかと推測されます。
正面側の角はよくある擦り切れ具合。
補修のパーツサイズ
ロンシャンの四隅の補修に定番で使っているパーツサイズが、四隅を補修するには最小限、もしくはベストなサイズとしています(鞄のデザインや大きさにもよりますが)。
大き過ぎず小さ過ぎずという感じで、これ以上小さくするとそういうデザインとして見えず、とってつけたような不自然な感じになってしまいます。
今回もこの定番のサイズで補修を行おうと思ったのですが、背面の被害が大きい擦り切れ部分が、定番サイズでは一部覆い隠すことができませんでした。かといって一回り大きくしてしまうと鞄自体が小さいのでバランスがおかしくなってしまいます。
なのでベースは定番のパーツサイズを使用し、はみ出る部分を覆うように一部ラインを修正し不定形にすることにしました。ご依頼主さんには一回り大きな場合と不定形の場合での仕上がりイメージを確認して頂きました。
四隅補修完成
円弧の頂点を少し膨らませています。正面側の擦り切れは酷くないのですが、背面の擦り切れに合わせて四隅とも同じパーツ形状で補修してあります。
酷く擦り切れていた背面はこんな感じ。パーツはできるだけ大きくしたくないので、ほつれが隠れるギリギリの設定になっています。なので本体にパーツをセットし縫製する際も、少しでもパーツがずれてしまうとほつれが見えてしまうので縫い進めては確認、縫い進めては確認。
本体の縫い割りの位置とパーツの縫い割りの位置を合わせているので、後付け感はなく自然な感じに仕上がります。
この補修をするといつも思うのですが、四隅にパーツがあった方が見栄えがいいのでは?と。今回も修繕前と見比べてみると、そうだよな、と思う今日この頃です。
パーツの最小サイズはロンシャンの定番サイズですが、それ以上であれば大きさや形状はご希望のサイズで製作可能です。ただ形状に応じて費用は異なりますのでお問い合わせください。