
始めから保湿はしてください
オールドグッチがあるようにセリーヌでもオールドセリーヌというジャンルがあるようです。マカダム柄と言われる砕石を敷き詰めた舗装路がモチーフのモノグラム柄の本体が特徴の鞄。
オールドと言われるだけあってそれだけ経年している為、定期的な保湿を行っていないと革はカッサカサになってしまいます。大抵の人はカサカサになってしまってから何とかしようとして、保湿クリームでお手入れを試みますが、それではやや手遅れです(それでも保湿はしてください)

革は一度劣化させてしまうと、そこからのお手入れで現状維持は可能ですが、挽回させることは難しいです(見た目をある程度整えることは可能ですが)
なので皮革製品は使い始めから傷んでも傷んでいなくても、定期的な保湿メンテナンスを行い続けたかどうかで製品寿命が決まってしまいます。
人間は放っておいても勝手に新陳代謝で皮膚の潤いはある程度復活しますが、革の場合はこちらから保湿成分を添加しない限りは潤いがどんどん失われていくだけですので。

保湿のお手入れは、サフィール社のユニバーサルレザーローションを定番でお勧めしていましたが、最近はタピール社のレーダーフレーゲもお勧めしています。瓶入りのレトロなビジュアルもいい感じです。

サラサラ系の乳液タイプのレーダーフレーゲは艶がとても出やすい印象です。(同じ容器で用途の異なるオイルや靴底用などあるので購入の際はご注意ください、チューブ入りも違います)

最近のおすすめ保湿クリーム
定番の保湿クリーム
定番のユニバーサルレザーローションは保湿と併せて汚れ落とし効果が強めな印象。
美錠の固定穴は傷み易い
美錠固定のベルトで傷み易いのは固定穴付近。この部分で鞄の重さを受け止めるのでダメージが特にあります。乾燥しカラカラの状態で常に負荷を受け止めていけば、自ずとひび割れが発生し裂けてしまいがちです。

同じ穴で使用しているとそこだけ傷み易いので、できれば他の穴も交互に使ったほうが延命はできますが、使いやすいストラップの長さというのは決まっているので1箇所が傷むのは仕方がありません。

ベルト製作
オリジナルのベルトは革の厚みも薄く補強もされていませんでした。製作の際は補強の芯を入れて伸び難くし、革の厚みも増やして(通常の厚みで)製作します。
オリジナルの薄いベルト


革はちょうど定番色として揃える事にした色がピッタリでした。芯材を挟んで裏表貼り合わせてチリをカット。その後、断面を削り整える → 着色 → 縫製という手順です。

完成
傷んでいる上段のベルトがオリジナル、下段が新規のベルト。

依頼品は長さが90cmある長めのハンドル。通常は50から60cmぐらいが一般的な肩掛けハンドルの長さになります。新たに製作する際には長さ、穴数などご希望の設定で製作可能です。


革の色が丁度いいので本体にセッティングしても全く違和感なく馴染んでいます。むしろオリジナルのベルトの方が乾燥して色褪せていましたし、雨で濡れて部分的に色が濃くなっていました。

ベルト抑えの本体側の革の輪っかも乾燥し割れが生じ始めているので、ベルトの長さを調節する際はご注意を、とご伝言。この革の輪っかを交換するには本体側をある程度分解しないとできないので、なるべく傷めないように使われ、交換という事にならなようにした方が宜しいかと。

断面の厚みが薄い上段がオリジナル、下段が新規製作。今回製作したベルトがぶ厚いのではなく、オリジナルが薄すぎでした。オールドグッチもそうですが昔のベルトは薄めな傾向な気がします。


エイジングと劣化は違う
大事なことなので繰り返しますが、皮革製品は傷んでも傷んでいなくても、定期的に保湿のお手入れを行なってください。それが10年後、20年後の革のコンディションに影響してきますので。革は経年によるエイジングも楽しみの一つですが、エイジングと劣化では大違いですので。
ご紹介した保湿クリームは100から150mlで2.000円前後ぐらいですが、その量でも一般のご家庭であれば家族で靴や鞄に数年間使用しても、なかなか使い切るのが難しいぐらいではないかと。
2.000円の投資で身の回りの革製品が末長く良いコンディションで使い続けられるのであれば、一つは持っておいても良いかと思います。
