エルベシャプリエの角擦れ補修も増加中

Hervé Chapelier・補修後
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ロンシャンと同じようにできます

最近、エルベシャプリエもロンシャンと同じように四隅の補修ができますか?というお問い合わせが増えてきています。

もちろんですが、できます。
で、その際に四隅の色をどうするか問題があります。

ロンシャンの場合は持ち手やフラップなどに革が使われているので、その色に合わせるのがセオリーですが、エルベシャプリエのナイロンモデルには革が使われていません(サイドに小さな革のタグがあるモデルもありますが)

ロンシャンの場合

使われている革の色に合わせる
持ち手のブラックに合わせる

エルベシャプリエの場合は、持ち手のナイロンベルトがブラックなので四隅に用いる革もブラックに合わせた方が色のバランス的にまとまるので、ほぼみなさんブラックを選択されます。

では本体に使われているナイロン生地の色で合わせてもいいのでは?となりますが、ナイロン生地と同じ色の革というのはまずありません。

そして仮に色が似ていたとしても表面の光の反射率が違うので、同じ色には見えません(特に表面に凹凸のあるシュリンクレザーだと、光が反射して明るく見えてしまう)

なので少し違った色を新たに追加するよりは、持ち手のブラックに合わせて四隅もブラックで揃えた方がベターかと思います。(ブラックは凹凸のないスムースレザーがあります)

それにエルベシャプリエの場合はすでにナイロン生地でも2色使われているので、色数は抑えたほうが無難かと思います。

セオリーをあえて外してみる

こちらのエルベシャプリエはセオリーのブラックではなくブルー系の革で四隅補強しました。

ナイロンと同じ色合いのブルーはないので色味の違うブルーになりました。郵送での修理だったので、依頼品受け取り後にブルーの革の色見本3色を実際の鞄に合わせ、画像確認にて色を選択して頂きました。

色見本の確認画像

画像での色確認になると、まず撮影する段階で実物通りに色が撮影されませんし、それを添付して相手の端末上で表示される際にも色が違って見えてしまう可能性があります。

この時に困るのが「色はお任せします」という言葉。どの程度の色の違いまでが許容範囲なのかこちらでは分からないので判断が難しいです。

今回は画像添付した際に「色味が異なります」とお伝えしましたが、「バッグの爽やかな感じを生かしたいので、色味は確かに少し違いますが、ブルーにしたい」ということに。

ご返却後、「色味が違うと言っていたけど、自然な仕上がりでしっくり馴染んでいます」とお客様。

「色味が違うと言っていたけど、全然違うじゃないの!」とならなくてホッと。

もしこうなってしまうとお互いに悲しくなるだけなので、「色はお任せで」というのは基本的にお断りしています。

色を悩まれる場合は、とりあえず補修せずに様子を見る、という判断も良いかと思います。新品でも、使って四隅に穴が空いた状態からでも補修後の仕上がり具合は変わりませんので。

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