手持ち用のハンドル製作
エルメスのエヴリンTPMはショルダーストラップ使いしかできない仕様なので、手持ち用にハンドルが欲しいとご依頼を頂きました。
HERMES エヴリンTPM
鞄はお預かりせず(郵送依頼)ストラップだけのオーダーでしたので、既存のショルダーストラップ付根の形状を画像から割り出して同様に持ち手も製作します。
オリジナルの金具の横幅が分かればレザーパーツの縦横の比率はわかります。
金具はなるべくオリジナルの雰囲気に近いものを取り寄せて、まずは試作。
試作にて厚みの感じや金具とのセッティング具合を確認します。鞄はブラックでしたのでそれに併せてブラックのシュリンクレザーにて製作。
付け根部分は革が8枚重なり硬いです(折り返しも合わせて)。17ミシンで縫製も可能ですが糸調子が狂って縫い直すのが嫌なので、ここは確実な八方ミシンで一目ずつ縫製していきます。
その場合、八方ミシンはほぼ手動で針を送っていくので縫い目のピッチが僅かに狂う場合があります。特に縫製物に厚みがある場合は。
なので事前に電動の17ミシンで下穴を開けておき、その下穴を頼りに縫製していきますがブラックのシュリンク革だと事前に開けた穴が見えにくいので、開けた穴が分かるようにマスキングテープを貼って穴開けしておきます。
エヴリンTPM用のハンドル完成
エルメスのオリジナルの金具だとレザーパーツが通る部分の隙間はもう少し縦に広いので問題ないのですが、取り寄せた金具は凸部分があり隙間が狭かったので通せるか不安でしたがギリギリ通過。
金具は安いものはいくらでもありますが、強度や品質は価格に比例するので鞄金具専門店から取り寄せています。
鞄はお預かりしていないので、セッティングした仕上がりは想像していただければと思います。手で持っても肘に掛けても使用できる寸法です。小振りなエヴリンTPMにちょうど良さそうです。