ショルダーが先か、手提げが先か・・・。
お治ししてから時間が少し経っているので詳細を忘れかけていますが、確かお話しし始めた時はこのお財布にショルダーストラップを付けられないか、だったように記憶しています。で、トントン拍子で手提げも付けてみようか、という感じで話がまとまったかと。
いや、はじめに手提げでその次にストラップだったか・・・。なるべく記憶が鮮明なうちに書いていかないとまずい年頃になってきた感じです。HPのリニューアルの間の書いていなかった一年間分も早く上げていかないと記憶が・・・。
たまたまサンプルであったチェーンで。
確か始めは革のストラップでという感じでしたが、お財布に使われているようなピンク色の革の在庫というのはないので革を取り寄せるしかないのですが、取り寄せるといってを生地を買うように必要な分だけ切り売りしてもらって購入できるわけではないので、革の場合は基本的に一頭(半裁:1畳ぐらいの大きさ)になってしまいます。
なので以前は在庫で用意の無い色の場合は基本的には無理だったのですが、最近は少量でもご用意出来るようになりました。ただその分コストは高くなるのですが。
と言ってもやはり必要な分だけという訳ではないので、すでに40cmほどの規格サイズでカットされているのでショルダーストラップを作るにはどちらにしても一頭で購入しないと長さが足りないわけなのですが。
で、そこでCHANELといえばチェーンのストラップということで、そういえば在庫でチェーンがありますよ!ということになり(確かそうだったような)肩当て部分は革で、長さの足りない部分はチェーンを使えばなんとかショルダーストラップができるのでは?と。
もともと何かのサンプルで取り寄せてあった、両側がナスカン仕様のチェーンが二本だけあったので、このチェーンの片側をばらしてDカンと組み合わせて革の肩当て部分と連結。チェーンが二本合計で80cmぐらいあったので革の肩当て部分の長さは40cm以内にすることができて革の尺も間に合うことに。
肩当てを作っても取り寄せた革は少し余るので、ならば手提げのストラップも作れないだろうか、ということになり細めの華奢な手提げストラップも合わせて作ることに。
いつものストラップの作り方だと革を貼り合わせ、断面をカットして塗料でコーティングする方法ですが、このピンク色の発色は混色しても塗料では作れなそうなので、断面もピンク色を綺麗に見せたいので折り込み仕様にすることに。
17ミシンでカシャカシャカシャ・・・。
3WAY
取り外しできる仕様に、ということでしたのでその方法もどうしましょうかと。はじめは既製品でもそのようなものがありますが、蓋の内側にチェーンを通すのはどうか?ということでしたがそれだと100%蓋の両端がチェーンで擦れて痛むので、ということで私が却下しまして、無難ではありますが画像のように小さなDカンを背面に付けてそこに引っ掛けることに。
このDカンを付ける位置はいくつか検討しましたが最終的には背面の位置になりました。というか、この位置以外には取り付けられるスペースがありませんでした。Dカンを固定する縫製が内部のカードポケットに掛かってしまったり、ファスナーがあったりマチがあったりポケットがあったりとで限られていました。
ストラップも手提げも付けていない時にはDカンを倒せば正面から付け根のパーツは見えない位置に。肩当て部分は手提げのストラップより少し太めの設定で。
長さは調節できないので、お客様には他に使われている鞄を参考にベストな長さを割り出していただきジャストサイズに製作しています。
イタリアの革になりますがなかなか色は近いものがご用意できました。革の表面の型押しの柄(シボ)はブランドだとオリジナルの型を作って押していることがありますが、今回のCHANELも定番であるような柄ではないのでそこは合わせられませんでした。なので取り寄せた革の柄は王道なシボ柄になっています。
心配性の私的にはお財布をこのように露出させて持ち歩くのは心配で仕方がありません。20年ぐらい前にイタリアに1ヶ月弱、貧乏旅行に行った際に4日に一度ぐらいの間隔でスリに遭遇していたのがトラウマになっているのかもしれません。
『地球の歩き方』しか入っていない私の小さなカバンを(お財布はコートの内側に忍ばせる)、背後で物色するスリに毎回遭遇していたのですが、もちろん心配性の私なのでファスナーには細工を施してありましたので開けることができず、犯行中に私に気付かれて毎度スリたちは退散して行くのですが。
当時はスマホなんてないのでお財布を盗まれるより、ある意味『地球の歩き方』を盗まれた方が私的にはピンチだったかもしれません。ミニイタリア語会話付録に国際電話の掛け方、安い宿の場所などなど今ではスマホで全て済みますが、当時は『地球の歩き方』が私のスマホ代わりだったなと思う今日この頃です・・・。