チェーンが重い。
鞄を机に置いたつもりがチェーンが一部載っていなくて、チェーンのその重さで鞄本体が引きずられ床に落ちてしまうのでストラップを交換希望という事。なかなかユニークな交換理由ではありますが早速交換していきます。
交換は革のショルダーストラップに。ただ本体のようなクロコ柄の革のご用意がないので(クロコの型押しの革はあるにはあったのですが雰囲気が違っていた)通常のスムースレザーで製作します。
スムースレザーとは?
ヌバックやスエードのように毛羽立ちがない革、型押しやシュリンクやエキゾチックレザーのような表面に凹凸がない滑らかな革の総称となりますが特に明確な定義があるわけではありません。
ストラップの革はブラックであれば基本的に当店定番のヌメ革のオイルレザーを使用します。オイルが通常より多く含有されているので一般的な革より乾燥しにくく使用によりしっとりと艶も増していきます。
カタカタカタとミシンワーク。本体があまり大きくないのでストラップも通常より細めです、確か15mmだったと思います。
完成です。美錠金具はアンティークゴールド色を採用しています。もともともオリジナルもビンテージっぽい加工がされたチェーンや金具でしたのでギラギラのメッキのゴールドよりこちらの方が相性が良いかと。
着脱しないのなら直付けでシンプルに。
付け根の部分は初めオリジナルと同じように着脱できるナスカン金具仕様でしたが、元々はゴールドのチェーンにゴールドのナスカンだったので、それぞれのパーツが同色で目立ちませんでしたがブラックのストラップにゴールドのナスカンだと付け根部分のコントラストがごちゃついてしまうのではないか?と思いまして着脱する予定がないのであれば直接固定した方がよろしいのではとご相談。
結果、直付け仕様に変更になっています。ただそれだとゴールド色の面積が少し足りない感じなのでストラップの付け根にはゴールドのカシメを使い固定することにしました。カシメは他の金属部分に合わせてメッキではなく、時間の経過とともにエイジングするブラス(真鍮)素材のものを使用。
元はブラックのクロコ柄の革にゴールドチェーンでしたので素材感も色も派手な印象でしたが、ブラックのストラップにすることで色のコントラスも大人しくなりビンテージライクな印象になったかと思います。
チェーンのストラップだと重いとか痛いという理由で交換したことはありますが、引きずり落とされるという理由は今回がはじめてでした。同じように引きずり落とされている方がいらっしゃいましたら当店までご依頼をお待ちしております。